HISUI ROUTE
(ま・・・アリスが怪我した時、助かったしな) ウィルドはそう考えると、公園にあった時計を見て、驚くような演技をしながらしゃべり始める。 「あ!!やっべ!俺達任務だ!」 ウィルドはアリスとクロスに目配せをする。 二人とも感づいたのか、小さく頷く。 「あ・・・もうこんな時間・・・任務まであと30分だね・・・」 「リング、俺達もそろそろ戻らないと、アポロ兄さんに任務があるって言われてたんだ」 クロスとアリスも話を合わせる。 マオはわけがわからない、と言う顔をしていたが、勘のいい翡翠は気付いたようだった。 そして、ウィルドとクロスはハンターベースに戻る前に、翡翠に近づくと、 「チャンス、不意にするなよ?」 「そうそう、俺達がせっかくチャンス、作ったんだからな」 そう言って背中を押すと、ウィルドとクロスは恋人達の元へ走っていった。 残された二人は少し呆然としていたが、翡翠が口を開く。 「とりあえず・・・どっかで座ろう?」 「うん」 マオは頷くと、先を歩く翡翠について行った。
「ひしゅい君」 「え・・・?何?」 本当に少し歩いた所にあったベンチに座った二人。 先に口を開いたのはマオだった。 「こりぇ、ありがとにゃ」 そういって、紐につけてある指輪を見せる。 指輪を見せられた瞬間、翡翠の顔が紅潮する。 「もってて・・・くれたんだ・・・」 「にゃ・・・大事にゃもにょだからにゃ♪」 にっこり笑って言うマオに、翡翠は顔を伏せる。 照れ隠しからの行動であろう。 「あ・・・ちょっと目、瞑ってくれる?」 「・・・?うんにゃ・・・」 そう言ってマオから視覚が消える。 翡翠はそっと近づくと、ポケットからある物を出して、マオの髪の毛につける。 「・・・ひしゅい君、いいかにゃ?」 「・・・うん、いいよ」 マオが目を開けて頭を触ると、髪の毛とは違う感触がした。 「リボン・・・?」 「あ・・・さっき見つけて・・・似合うと思ったから・・・」 こういう時に口下手だと苦労する。 翡翠はそう思って、説明するのを止めた。 だが、マオは再び笑うと、 「ありがとにゃ!ひしゅい君!」 そういって、翡翠の手を取った。 その瞬間、翡翠の顔は真っ赤になった。 (・・・僕には手を繋ぐのがせいいっぱいかも・・・)
「・・・総監、今日はマオちゃん、いませんね?」 「・・・」 「そういえば、翡翠くんと歩いてたの見たよ。他にも・・・」 「・・・この仕事、すべて翡翠に回してくれ」 「総監、仕事に私情を挟まないでください」 その頃、ハンターベースでは総監、シグナスが大激怒していたとか・・・。
<END>
作者様後書き 翡翠&マオちゃんエンディング! いかがでしたかにゃ? この二人が1番難しいです・・・。 翡翠もマオちゃんもなかなか手を出しませんからねぇ・・・。 はう・・・とりあえず終わり?
|
||
感想き いいですねぇ、ほのぼの♪ この二人はこの位がちょうどいいと思うのは私だけ!? なんか見てて可愛いんですものぉVv なごみ系ですよなごみ系(笑) でも・・・やっぱり親馬鹿なシグナスが一番好きです(笑) |