KUROSU ROUTE



(久しぶりのこっち・・・だしね)

翡翠はそう考えると、腕時計を見るフリをして口を開く。

「あ・・・アリス、そろそろ戻らないと!」

えっ?と漏らすアリスに、ウインクをして、クロス達の方を見る。

アリスはニッコリ笑うと、頷いて話しを合わせる。

「そうだ!ぼく達、もう戻らないと・・・」

「アリスちゃん?」

不思議そうに言うリングを見て、アリスは適当な理由を話し始める。

「今日、シグナスさんに頼んで・・・とりあえず、6時までには戻らないと行けないの」

「・・・そうなんだ・・・」

残念そうに言うリングを見て、アリスは少し罪悪感を覚えるものの、ウィルドに目配せをする。

ウィルドも気づいたのか、頷いて翡翠と共にクロスのほうに近づいていく。

「僕がここまでしたんだから・・・がんばってよ?」

「そーそー。んじゃ、クロス、またな!」

二人の言葉に、クロスは気づいたのか、二人を止めようとするが、ウィルドはアリスを、翡翠はマオを抱えて

走っていった後だった。

「・・・じゃあ・・・私達も・・・」

「あ、リング!」

リングが何か言おうとしたのを遮って、クロスが口を開く。

「・・・今日は・・・まだ、笑ってないよな・・・」

「・・・私はいっぱい笑ったけど?」

そう言って、リングは微笑むが、クロスは納得していない。

それを見て、苦笑するリング。

「ちょっと・・・ね。いろいろと・・・複雑で・・・」

「・・・俺には・・・言えない事なのか・・・?」

「・・・いの・・・」

ポツリと、町の騒音にかき消されそうな声で、リングは声に出した。

「え・・・?」

「怖い・・・本当に、クロスさんの気持ちが嘘じゃないか・・・」

「なっ・・・俺は・・・」

「・・・強がってたけど、本当は怖い。私の勝手な思い違いじゃないかとか・・・」

リングは、ゆっくりと歩き出す。

クロスもリングに合わせて、ゆっくりと歩く。

「いつも確かめてないと、不安で・・・いつだって手を繋いでいたい。クロスさんに触れていたい・・・」

そう言って、一度立ち止まると、クロスの方を向きなおす。

「クロスさんには・・・私の気持ちが重いかもしれない。だから・・・」

「大丈夫」

再びリングの言葉を遮ると、リングを抱きしめる。

リングは急に、そして人ごみの中での出来事だったので、顔を真っ赤にする。

「え・・・あ・・・」

「俺は・・・」

クロスの口が、動く。

キ ミ ガ ス キ ダ カ ラ

「うん・・・」

リングは瞳に溜まった涙を拭って、クロスの額にキスをする。

「・・・結局、気づかなかったね・・・」

「え・・・?」

「ん・・・なんでもないよ!じゃ・・・帰ろう!」

 

 

 

 

「クロス、それ・・・」

「ん?」

「あ!クロス兄ちゃん、キスマークついてる!」

「なっ!?」

ギリシャ支部に帰ってから、クロスは散々からかわれたり、アポロに呼び出されたりと大変だったとか。

 

<END>

 

 

 

作者様後書き

クロスくん&リングエンディング!

いかがでしたかな!?

ちょっと突発的に思いついたリングの不安。

でもやっぱりクロスくん男前・・・みたいな?



感想き

うっきゃー!!もう最高ですよ月臣様ぁ!!

最近クロスの男前っぷりが広がってて結構嬉しかったり(笑)

リングちゃんもめっちゃ可愛いですしぃVv

しかし・・・クロス、リングちゃんの背伸びに気が付いてなかったのね・・・

やはり鈍か(笑)





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