すのー・ほわいと おぶ りばーす (後編)



「今日も一日・・・お疲れさんっしたぁ♪」

 白雪姫が深い眠りについて数時間後・・・この家に住んでいる7人の『巨人』と呼ばれている、7人の男たちが帰ってきました。

「・・・・?おや?」

 7人の中でも一番しっかりしているシグナスが、ある事に気が付きました。

「どうかしましたか?」

 ホーネックが、シグナスの様子に気付き、話しかけます。

「おかしい、家を出る前にキチンと整頓はしたはずなのだが・・・」

 白雪姫が座った椅子、彼女はそれを元の位置に戻さず二階へ上がってしまったので椅子の位置がずれてしまっていたのです。

「おーい、二階で誰か寝てるみたいやでぇ」

 二階に上がっていたインドラが、寝室のドアが開いていることに気付いて皆を呼んだのです。7人は部屋にそぉっと入り、一つのベッドの上に誰かが寝ているのを見つけました。

「・・・子供やな」

「子供だな」

「小さいねぇ」

「俺達が大きすぎるんだと思うんですが・・・(−−;」

 7人はそれぞれ、眠っている白雪姫を囲んで好き勝手な事を言っていました。

 歩き疲れて眠ってしまっていた白雪姫でしたが、流石に枕もとで騒がれると目が覚めてしまいます。

「んぅ〜・・・・・」

 軽く伸びをして目をこすって起きた白雪姫は、7人の巨人を見て・・・

「うわっ、ムサッ!!」

『ほっとけ!!』×7

「・・・こほん、君は・・・どうしてここに?見たところ、お城に住んでいる人のようだが」

 しっかり者のシグナスが、気を取り直して白雪姫に質問します。

「あ・・・・それは・・・・・」

 白雪姫は全てを7人に話しました。女王が来てから国が滅茶苦茶になってしまった事も、殺されそうになった事も全て・・・

「そんな事が・・・・辛かったんだね・・・」

 メンバー中最も子供が好きなアポロが白雪姫の頭を優しく撫でました。

「あの・・・出来ればここでお世話になりたいんッスけど・・・」

 白雪姫が控えめに言うと、7人の巨人は顔を見合わせ・・・

「まぁ、別にいいんじゃないの?」

「今更一人増えてもたいして変わりないですしね」

「決まりだな。よろしく・・・えっと」

「あ。俺はハルトって言うッス・・・城じゃ、白雪姫って呼ばれてますけど」

 そして巨人達も自己紹介を始めました。

「宜しく、白雪姫。私はシグナス、皆からは『Doc(先生)』と呼ばれている」

「私はアポロ・・・・・不本意だが『Grumpy(おこりんぼ)』と呼ばれている・・・」

「・・・?ぐらんぴぃ?どうして?」

 白雪姫は不思議に思いました。なぜなら、自らをGrumpyと言った彼はとても優しそうに見えたのです。とても怒りんぼと呼ばれる様には見えませんでした。

「・・・それは・・・」

 アポロが少し困ったような顔をすると、彼に後ろからおぶさるように現れた人物が言いました

「わいはインドラ、『Happy(ごきげん)』と呼ばれとるんや♪」

「・・・おい・・・・」

 上に乗られている状態のアポロが、不機嫌な声をあげます。ですが、インドラはそんなことはお構いなしに話を続けました。

「何でこいつが『おこりんぼ』言われとるか、知りたいか?」

 白雪姫は素直に頷きます。心なしか、アポロの顔が青い様にも見えました。

「それはな・・・・」

 さわ・・・・

「っせい!!」

 ドガッ!!

 アポロの踵が床にめり込みます、彼はわなわなと肩を震わせながら言いました。

「・・・貴様という奴は・・・消し炭にしてくれる!!」

「うわぁ!!!室内で技使っちゃダメですよおォ!!」

「アポロさん落ち着いてぇ!!」

「でひゃひゃひゃひゃ♪ま、こういうこっちゃ、わかったか?」

 いきなり怒り出すアポロに、彼を必死になって止める最年少2人組み、そして、騒ぎの原因を作ったインドラは楽しそうに笑っています。白雪姫はその様子に驚いてただこくこくと頷く事しか出来ませんでした。

「相変わらずだねぇ・・・あ、俺はダイナモってんだ♪ここでは『Dopey(おとぼけ)』って呼ばれてるよん♪」

「私はタートロイド・・・『Sleepy(ねぼすけ)』と呼ばれている・・・よく縁で額を打つので・・・そのときの顔が眠そうだからそう呼ばれるらしい・・・」

「つ・・・疲れた・・・」

 ダイナモとタートロイドが自己紹介を終えたとき、ようやく落ち着いたのか、アポロを宥めていた2人が戻ってきました。

「な〜んかいっつも貧乏くじ引いてる気分なんやけど・・・まぁええ、わいはブラフマーっちゅうねん。ろしゅう♪ここでは何でかしらんが『Sneezy(くしゃみ)』言われとる・・・」

「えっと・・・俺はホーネック。皆からは『Bashful(てれすけ)』って呼ばれてる・・・実際、今凄く恥ずかしいし・・・」

「これで自己紹介は終わりだな。呼び方は好きなふうに呼んでくれて良い。これからよろしく、白雪姫」

「はい!宜しくお願いします!」

 こうして、白雪姫と7人の巨人たちの生活が始まりました。一方その頃、お城では・・・

 

「この世で最も美しいのは誰だ?」

 女王様がユーマから受け取った箱を持ち、鏡に問いました。

『・・・確かにあんたは美しい。でも、今はあんたよりも美しい者がいる(棒読み)』

「・・・何?・・・それは誰だ!」

『・・・森のずっと奥に、7人の巨人と共に住んでいる・・・勇敢でとても優しく。白雪のような純白のアーマーが良く似合っている白雪姫です・・・(棒読み)』

「馬鹿な!奴は死んだはず!ここに奴の動力炉とエネルギータンクがあるのだぞ!!」

『それはユーマが作った偽物です・・・彼女は生きています(棒読みってかもう半分投げやり)』

「おのれユーマめ・・・私を騙したな・・・・」

 女王は怒りに肩を震わせ・・・今度こそ白雪姫を自分の手で殺そうと、地下の研究室へと急ぎました。

「・・・何か・・奴を確実に殺す方法は・・・・おお・・・これだ!!」

 何か良い方法はないかと大きな本をひらいて調べていた女王様は、早速見つけた方法を試そうと準備を始めました・・・・・・そして。

「完成だ・・・ふふふ・・・これを一口でも食べれば白雪姫はあっという間に死んでしまう・・・・」

 女王が手に持っているのは真っ赤なりんご・・・ただし、それを一口でも食べてしまえば、たちまち眠るように死んでしまうという恐ろしい毒の塗られたりんごでした。

「そうだ・・・生き返る方法があっては困るからな、調べておこう・・・」

 再び本を広げ、解読方法を見つけた女王は・・・

「なになに・・・・『毒りんごの解読方法は、愛する人とのファーストキス』・・・フム、まぁ大丈夫だろう・・・待っていろ白雪姫・・・ふふふふ・・・ファーハハハハハハ!!」

 女王は真っ黒なマントを頭からかぶり、高々と笑い声を上げながら白雪姫の元へと向かいました・・・

 

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 舞台袖

 「・・・白雪姫が目を覚ます方法って喉に詰まったりんごを吐き出したから生き返ったんじゃなかったでしたっけ?(汗)」

 「それはグリム童話の『Snow White』だよ・・・って何でそっちを知っててディズニーの方知らないのさ(苦笑)」

  衝撃的事実を知って固まるハルトの隣で、エックスは苦笑した。

 「・・・あ・・そう言えば・・マリアちゃんはこの事・・・・」

 「・・・多分あの子も今知ったんじゃないかな・・・」

  エックスが言うように、彼らのいる反対側の舞台袖ではマリアが真っ赤になってエイリアに何かをいっているのが見えた。

 「なぁ〜んか、はめられた気分なんッスけど・・・(ーー;」

 「考えすぎだよ・・・きっと・・・(^^;」

  うなだれるハルトにエックスは答えた。・・・ちなみにゼロはエックスに抑えられ、ロープでぐるぐる巻きにされ、更に口をふさがれた状態で後ろの方でムームーと何かを叫びながら暴れてたりする・・・

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 

 夜が明けて、朝食をすませると巨人達は仕事へと出かけます。

「良いか、白雪姫。女王はきっと君が生きているという事をすぐに突き止め、君の命を狙ってくるだろう。たとえ誰が来ても家の中へ入れてはいけないよ。」

「了解ッス!」

 しっかり者のシグナスは、出かける前に白雪姫に注意を促しました。白雪姫も、その注意をしっかりと受け止めビシッと敬礼をします。

「じゃあ、あとは宜しく頼むよ。掃除道具が置いてある場所は、昨日教えたところだから」

「まっかせといてください♪ほら、早く行かないと仕事に遅れますよ」

 巨人達を見送ると、白雪姫は腕まくりをして、部屋を見渡しました。

「っさて、掃除っつっても結構綺麗だからなぁ・・・・とりあえず洗い物でもするかな・・・」

 流石に8人分の食器の洗うのは大変でしたが、すべて綺麗に洗い終わり。食器棚にしまっていると

 コンコン

 ドアをノックする音が聞こえてきました。

「?・・・誰だ?」

 白雪姫はドアを開けようとしましたが、シグナスが言っていた事を思い出し、そのまま声をかけました。

「・・・どちら様ですか?」

 すると、ドアの向こうからはいかにも怪しい低い声で・・・

「私はりんご売りの老婆です。どうです?真っ赤に熟れたりんごはいかがですかな?」

 少々不安に思いながらも、白雪姫は小窓から老婆の姿を見てみました。

「!?・・・(うぉ!?めっちゃくちゃ怪しいじゃねぇか(汗)」

 老婆の怪しさにかなり不安の覚えた白雪姫はとにかく家に入れまいと扉に鍵をかけました

「えっと・・・俺はここにお世話になっている身だから、勝手に物を買うわけにはいかないっす」

 シグナスの言いつけどおり、すぐに帰ってもらおうとした白雪姫でしたが。

「まぁそう言わずに」

 バキャ!!

 なんと老婆はドアノブを壊してしまい、そのまま家の中へと入ってきました。

「ってか老婆の何処にそんな力があるんっすかー!!煤iT□T;」

 白雪姫は老婆から逃げようとしましたが、凄い力で腕をつかまれてしまいました。

「さぁ一口どうぞ・・・」

「いっ嫌だぁぁぁぁぁ!!!!」

 

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 舞台袖

 「・・・ハルトの奴、本気で嫌がってるな・・・ってかあのおっさんも本気で勧めてねぇか?(−−;」

  大人しくするという条件付でロープを解いてもらったゼロはあきれたように舞台の様子を見ていた。

 「普通に嫌だよねぇ、シグマの勧める物を食べるのってさ・・・(^^;)」

 「ハルトくん、大丈夫かな・・・~ヽ(°°;)))オロオロ(((;°°)ノ~」

 「まぁ大丈夫だろ、あいつ結構頑丈だし・・って睨むなよマリアぁ(^^;」

 「ゼロ兄ちゃんはハルトくんのこと心配じゃないの!?」

  ちっちゃい兄妹ゲンカ発生。ゼロをぽかぽかと殴るマリア。

 「おいエックス!笑ってないで止めろよ!!(0□0;」

 「あはは♪ゼロ、最近ハルトの事いじめてたからちょうど良いんじゃない?(^▽^)」

 「いじめてねぇよ!!ああ!マリア!誤解だって!!怒るなよぉ(;0;)」

 「知らない!!(○`へ´○) 」

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 懸命に抵抗していた白雪姫ですが、わずかに力敵わず・・・りんごを一口食べてしまいました・・・

「う・・・・」

 ばたり

 ああ、何と言う事でしょう。白雪姫はりんごの毒で、動かなくなり・・・

「ククククク・・・これで世界一美しいのはこの私ただ一人だ!!・・・フ・・・フフフフフ・・・・ファーーーーハハハハハハハハ!!!!」

 老婆は高笑いをすると、走ってお城に戻りました。後には・・・冷たくなった白雪姫だけが残されておりました・・・・

 

 仕事から帰ってきた巨人達は、ドアノブが壊されている事に気付くと、急いで家の中に入りました。そこで彼らは、冷たくなってしまった白雪姫を見つけ彼女の死を酷く悲しみました。

 7人の巨人達は、彼女の埋葬の準備を始めましたが、冷たい土の中に埋めてしまうのは忍びないのでガラスの棺に彼女を横たえ、周りを花で飾りました。

 数ヶ月の月日がたち、季節も変わりましたが・・・彼女の様子はまったく変わらず、眠りについたときとまったく同じでした。

 そして・・・ある日・・・・

「ようやく・・・見つけた・・・」

 白雪姫のことを探しつづけていた王子様が眠っている彼女の元に現れました・・・巨人達は彼を彼女の元に導き、ガラスの棺を外します。

「やっと・・・逢えたのに・・・・」

 王子様の大きな瞳からぽろぽろと涙が零れ、白雪姫の頬に落ちました・・・

「(小声)・・・マリアちゃん、大丈夫?」

「(小声)う・・・うん・・だいじょう・・・ぶ・・・・」

「(小声)でも・・・震えてるよ・・・無理しなくていいんだよ?」

「(小声)ん・・・ありがと・・・でも・・・大丈夫・・・・・ハルトくん・・・・」

「(小声)ん?」

「(小声)・・・少しだけ・・我慢してね?・・・・」

「(小声)へ?・・・」

「愛しています、白雪姫・・・・」

 王子様は、眠る白雪姫にそっと・・・優しいキスをしました・・・

 

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 舞台袖

 「っぎゃーーーー!!!離せー!!エックス!離せ!!マリアが、マリアがぁ!!(■0lll) 」

 「大人しくするって約束しただろォ!!」

 「そんな事言ってる場合じゃねぇぇ!!!!!」

  舞台袖ではかなりの大騒ぎになってたり・・・

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 

 すると・・奇跡が起きました。白く冷たかった頬に赤みがさし・・・・・・彼女はゆっくりと目を開けたのです。

「・・・王子様・・・?」

「・・・おはよう、白雪姫」

 

 そして、白雪姫と王子様の結婚が決まり、結婚式には白雪姫の父親であるエックスと継母(?)のシグマも呼ばれました。

 王様は二人の結婚を心の底から祝福しておりましたが、シグマは白雪姫を殺し損ねた事を悔しがり、報復を受けるのではないかと不安な日々を送っていました。

 結婚当日

 人望の厚い王子様は多くの人に祝福され、2人はとても幸せでした。ただ、白雪姫は本当のお母さん。ゼロ王妃がいないことが心残りでいた・・・と、その時・・・

「うおりゃぁぁぁ!!俺のエックスに何さらすーーー!!!」

 どげし!!

 なんと、ゼロ王妃が帰ってきたのです!王妃はターザンのように颯爽とロープに掴まりながら現れ。シグマを思い切りヒールで蹴り飛ばし、彼女を一撃で退治してしまいました。

 ・・・が、そのまま振り子の原理で戻っていってしまいました。

 

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 舞台袖

 「ああ!?ゼロ何戻ってきてるんだよ!!」

 「仕方ねーだろ!降りるタイミング逃しちまったんだよ!!」

 「・・・・かっこわる〜い(−−;」

 「・・・・・・うるせぇ・・・・(自覚あり)」

  そのまま舞台の真ん中まで走っていく・・・・・

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「・・・・・・・・・・」

「・・・あ・・・えっと・・・・・こほん・・・ゼロ?ゼロ、生きていたんだね?」

「・・・・・心配かけたようだな・・・」

 王様と王妃様は再会を喜びました。

 こうして、王様と王妃様、そして、白雪姫と王子様は末永く幸せに暮らしましたとさ・・・

めでたしめでたし。

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 

 

「お疲れ様でしたぁ!!」

 劇も大盛況のうちに終わりほっと一息を着く面々。

「まさか意地悪な女王役でシグマが出てくるなんて・・・」

「あれにはマジでびびったッすよ〜(−−;」

 ぐわし!

 エックスと話をしていたハルトの頭を後ろから誰かが掴んだ。・・・ハルトはゆっくりと振り返る・・・・この時彼の頭の中では『ダースベーダーのテーマ(スター○ォーズ)』が流れていたとかいなかったとか・・・

「はぁるぅとぉ〜・・・・・」

「せっ先輩!?」

 彼の頭を掴んでいるのはもちろん・・・マリアの兄であるゼロ。彼の手に徐々に力が加えられていく。 

「いっいででででで!!!」

「このまま頭握り潰したらぁ!!!!」

 そんな二人の様子を見ていたエックスは・・・

「ああもう、ゼロったら・・・仕方ないなぁ・・・はーい、ゼロ!!そこまで!!」

 ボキャ!!

「ぐあっ!!」

 エックスの右ストレートがゼロに炸裂!!

「まったく、君ってやつは・・・アレはお芝居なんだし、マリアからしてるんだからハルトにあたっても仕方ないだろ?・・・それに、直接してるわけじゃないんだし」

「・・・・どういう意味だ?」

「・・・もしかして・・・あの方法を彼女に教えたのって・・・先輩ッすか?」

「あ、ハルトく〜ん!!」

 三人が、あのシーンの話をしていると、女性陣に捕まっていたマリアが駆け寄ってきた。

「あ・・・あの・・さっきは・・・その・・・・あんな事して、ごめんね?」

 顔を真っ赤にして上目使いに謝ってくる彼女を見て、ハルトの顔も真っ赤になる。

「あ・・・いや・・その・・・・こっちこそ・・・・」

「ほんとはね、ぼくが付けた方がいいかなって思ったんだけど・・・エックス兄ちゃんが台詞がいえなくなるでしょって言うし・・・」

「女の子の口にあんなの付ける訳にいかないだろ?ね、ハルト」

「は・・・はい・・・(ーー;」

 エックスにそう言われ、返事をしたが・・・本能的にいつもの笑顔と違う事に気付きどもってしまう。

「おい、さっきから何の事を言っているんだ?あんなの?付ける?」

 一人会話に取り残されてしまっているゼロが口をはさむ。すると、エックスがごそごそと何かを探し始め、そして・・・

「実はあの時ね、マリアにこれを渡しておいたんだ♪」

 そう言って取り出したのはガムテープだった。

「それが・・・?」

 まだ状況の飲み込めていないゼロに、エックスはつかつかと近づいて・・・

「つまり、こういうことさ」

 ぺたっ

「むうっ?!」

 ゼロの口にガムテープを貼り付けるエックス。

「まだ、直接するのは早いからね♪」

 そんなエックスの満面の笑みを目前にして、ハルトは心の奥で『本当に怖いのはゼロ先輩じゃはなくてエックス先輩なんじゃ・・・・』と思ったという・・・

 

 END



後書き

なんとなく・・・

この小説を書き始めたのはそれが最初でした(爆)

まず、お姫様と王子様(の性別)を反転、

次に、この世界、小人を探すより巨人を探した方が早い!

という事で7人の巨人即座に決定(笑)

こんな感じであれよあれよという間に配役が決まっていきました・・・

シグマ女王はけっこう初期段階から決まってましたけどね(^^;

実は一番悩んだのが、小人(巨人)のそれぞれの配役だというのは内緒の話です(笑)





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