SWEET+sweet
イレギュラーハンター総監室、今の時間帯は誰もいないはずのその部屋に、一つの影・・・ 「シグナス様・・・・気に入ってくださるかしら・・・・」 呟くようにそう言ったのは、美しく長い黒髪を三つ編みにした女性、名は闇姫。彼女は総監のデスクの上へ綺麗にラッピングされた小さな箱を置き、落ち着かない様子でいた。 「こんなところで何をしているんだ?」 「きゃぁぁぁぁ!!!」 「!?」 不意に後ろからした声に、闇姫は悲鳴を上げて飛びのいた。声の主は、その悲鳴と彼女の素早い動きに驚いて目を見開いて固まっている。 「シッ、シッ、シッ・・・・」 声の主とはまったく正反対の壁に張り付いている彼女も同じように固まっているが、その口はパクパクと何かを言いたそうにしている。 「し?」 ようやく固まった体を動かして、彼女が繰り返す言葉を聞き返す。 「シッ、シグナス様!?いっいつからそこにいらしたのですか!?」 「ついさっきこの部屋に入ってきたところだ」 いつもの闇姫とは違う様子に少々驚きつつも、シグナスは微笑みながら言葉を返す。 「しかし・・・珍しいな」 「え?」 「お前があんな真後ろで声をかけられるまで人の気配に気が付かないなんて・・・何をしていたんだ?」 言いながら、彼女が先ほどまで何かをしていたデスクに目をやる。 「あ!」 するとそこには綺麗にラッピングされた小さな箱。 「・・・これは?」 それを手に持ち、彼女の方を向くと・・・ 「あ・・・あの・・・それは・・・・」 俯き、顔を真っ赤にしてもじもじと恥ずかしそうにしている彼女の姿。 「?」 「あの・・・・きょ・・・今日が何の日か・・・ご存知・・・ですか?」 「・・・今日?・・・・・あ!」 少し考えた末、思い当たることがあったようだ。それに気が付くと、シグナスも彼女と同じように顔を真っ赤にする。そして、はにかむように微笑むと・・・ 「ありがとう・・・とても・・・嬉しいよ・・・」 そして、すっと手をさし出す。 「おいで・・・闇姫・・・」 その言葉に、闇姫は素直に従い・・・彼の手の自分の手を添える。 「シグナス様・・・・・」 そのままシグナスは闇姫を優しく抱きしめた。 FIN |
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後書き バレンタイン用超SS!いかがでしたでしょうか?(^^; タイトル通り、甘くしたつもりなんですが・・・今まで書いてたラブ話とたいして甘さが変わってないような気もしなくないというか(どっちやねん) とりあえずこのお話しではシグナスと姫が急接きーん!!! って事をしたかったのですよ(笑) いつまでたっても(物理的)距離縮まなかったからねぃ(苦笑) |